3.ど・れ・で・し・の・う・か・な

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50%の〈幻想度〉は、いったい何によるものなのか。 パンフレットのアトラクション概要でも、そこには特に触れられていなかった。 数分後に噴き出す毒の霧には、いくらかの幻覚作用でもあるのだろうか?  それとも、ゴンドラ内を霧が満たす様が幻想的だから、ということだろうか? (“そのとき” になれば、わかるかな) シュウは大きく息をついた。 心臓は、相変わらずドキドキしている。 窓の外の景色に目をやる。 シュウの乗ったゴンドラは、もうだいぶ高いところまで昇ってきていた。 「うわあ、すごい見晴らし」 観覧車からは、山を下った先に広がる街が一望できた。 それを眺めていると、なぜだか、胸の内に非現実感が吹き込むような心地がした。 そこにあるのは、これといってどうということのない、ありふれた街の景色でしかないというのに。 自分の住んでいる――住んでいた街と、たいして違いもなさそうな。 シュウは、景色から目を離して、座り直した。 巨大な三日月の先端が迫る。 もうすぐ、昇り切る。 観覧車の頂上に来るのが、シュウの乗っているゴンドラの番になる。 シュウは軽く姿勢を正して、目を閉じた。
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