3.ど・れ・で・し・の・う・か・な

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「にしても、ドリンクだけじゃなかったんだねー、ロシアンルーレット」 そう。 フードコートのあの自販機だけが、特別なものというわけではなかった。 シュウは観覧車の係員の言葉を思い出す。――ほとんどのアトラクションにおいて、一定確率で〈ハズレ〉が設定されているんです――。 一定確率、って、具体的にはどの程度の確率なのだろう?  それはアトラクションによって違っているのだろうか。 もしそうだとしたら、〈ハズレ〉が出にくい……あるいは、出やすいアトラクションは、どれだ?  ドリンクも観覧車もチケット一枚だったけど、チケット二枚、三枚、四枚必要なアトラクションでも、〈ハズレ〉は設定されているのだろうか? ――もしも、チケット四枚のアトラクションで〈ハズレ〉を引いた人がいたら……。 その人は、その時点で手持ちのチケットをすべて失って、この遊園地から追い出されてしまうということか? その可能性を考えて、人ごとながら――チケット四枚のアトラクションは、もう自分には関係ない――シュウはちょっと心配になった。 いや、たぶん、チケット枚数の多いアトラクションは、少ないものよりも〈ハズレ〉が出にくいように設定されているとか、そういう配慮はあるんじゃないかと思うけども。
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