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大円盤の上を、数人の客たちがまばらに動き回る。
一人、また一人と、カップを選んで乗り込んでいく。
母も、お気に入りのカップを見つけたらしく、それに乗った。
乗り込み口は開きっぱなしではなく、開閉式の小さな扉になっていた。
カップの中に出てくる液が漏れないように、わずかな隙間もなくぴっちりと閉まるのだろう。
乗り込んだそばから、係員がその扉を閉めにやってくる。
『ボタンを選んで押してくださーい』
と、係員のアナウンスが聞こえてくる。
『ベースのフレーバーは、今押しておいてくださいねー。アトラクションが動き出すまでに押していないと、ブザーが鳴りまーす。トッピングフレーバーは、動き出してからでも押せますからねー』
客たちが皆カップに乗り終え、係員が柵の外に出る。
音楽が流れ出した。
ゆったりとした明るい音楽。
同時に、大円盤と、その上に五つある中円盤がゆっくり回転を始めた。
小円盤は、ほかの遊園地のコーヒーカップでもよくそうなっているように、カップのデザインに合わせた皿(ソーサー)を模していた。
いくつかのカップとソーサーが、大円盤、中円盤の回転と独立してくるくる回る。
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