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男性が妊娠できてしまうのもオメガ性の最たる特徴であるが、厄介だと言われる謂れはここにある。アルファやベータにはない、オメガだけの性質があるのだ。約三ヶ月に一度の頻度でくるそれは『発情期』と呼ばれており、十代後半から始まって一生をともにする。
読んで字のごとく、『発情期』には第二性や性別を問わず強く惹きつけるフェロモンを出す――親子や家族間では有効もなにもないが――らしく、とにかく大変なようだ。発情期中はほぼ一週間なにもできなくなるらしい。躯が疼いて疼いてしかたがないとかなんとか。なんだかんだでこちらもきちんとした薬――抑制剤で物理的に抑え込めるらしく、数多くのオメガ性が利用しているようだ。抑え込めばベータとなにひとつ変わらない。このときばかりは、劣等感だって鳴りを潜める。しかし、抑制剤と避妊薬は別であるので、抑制剤を使用していてもきちんと避妊をしなければならない。そうでなければ、妊娠する可能性がでてくる。というか、高い確率でする。どちらもしっかりと飲むことでしか回避できないわけだ。いやまあ、なにも発情期に限定しなくとも、やることはやれるんだけどさ。ただ確率が低くなるだけでね。ちゃんと避妊具を使うか使わないかでも変わってくるけど。
ちなみに、発情中のオメガ男性は膣分泌液のような粘液がきちんと出るらしい。また、オメガ男性の男性器はアルファ男性やベータ男性のものよりも小さく、なかなかにプライドが傷つく人もいる。そのひとりがなにを隠そうオレですけどね。大きさで人間が決まることはないという言葉は誰が言ったか、そんな言葉もあるけれど、小さいのはバカにされるからね。いやもう、本当に。特に修学旅行とか修学旅行とか修学旅行は地獄でしかない。バカにされないために部屋のシャワーで済ませたけども。
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