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うっそ、嬉しい。是非ともお願いしたいです。
でも……。
「……ふりっふりの超ミニは選ばない?」
デートの前の、これは何と呼べば良いのか。
「そうか?意外に似合うと思うけど」
無い無い無い。
そんなお世辞言える奴だったか?
「それはハードル高い。女子っぽくないスカート選んでくれるなら……まぁ、一緒に行っても……良い、よ……」
て言うか、一緒に行って下さいっっ。
「んじゃ、決まりな」
そう言ったかと思うと 彼が突然私の目の前に顔を傾け覗いてくる。
私は大きい方だし、彼は小さい方だしで二人の目の高さが重なる。
……やだ。
屈託なく笑った顔、目っ茶可愛い。
「なあ、さっきから何でこっち見ないの?」
にやにやして……分かってるのに聞いてるような、そんな顔。
「べっ、別に。今は花火見たいんだから、そんなのどうでも良いじゃん。退けてよ」
わざと気の無い風に装って、彼の後ろで咲く花火を照れ隠しに身を乗り出しながら探した。
それでも退けずに私の事をじっと見詰める彼。
その真っ直ぐな視線が恥ずかしい。
「……な、何よ」
一瞬交わした視線を、やっぱり無理と花火に戻そうと逸らす。
「……いや、今俺の考えてること通じたかなって思って」
「は?何それ。私はエスパーか」
訳の分からない事言いながらも、顔が真剣だからどうにも困る。
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