51人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
漸くへへっと彼が照れ笑い。
「……同じ気持ちだから」
「同じ気持ちって……」
それはどういう事?
彼も私の事を好きってこと?
ちゃんとした答えを彼の口から聞きたい。
「俺も好きだからさ、付き合おう?」
「……本当に?ふざけて、とかではなく?」
少しだけ声が震える。
「冗談で言うかよ」
呆れながら答える。
「お前さ、気が弱いくせに強がりだったり、憎まれ口叩くくせに優しいし、男っぽく見せてる割りに意外に乙女だしさ。可愛いんだよ、そこが。それに、さ。髪伸ばしたら絶対に可愛いぜ」
彼が、そんなこと言うなんて……。
ただ、瞠目して見詰め返すしかない。
「もしかして、照れてる?」
ばっっかじゃないの!?
という言葉は、この場合飲み込んだ方が賢明か。
最初のコメントを投稿しよう!