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苦手な男子
-uno side-
「ははっ!おま、ちょ、それはないわ、ははっ!」
「うっせーわ!お前もやべーかんな!」
「いって!おま、それは反則だぞ!」
「うっせ、ばーか!」
今は美術の授業中。モデルの像をみんなで囲んで、デッサンをするの。
別の角度から見てもいいから立つことも許されてるんだけど、立ち上がっている何人かの男子は像なんて見てなくて、あんな風に騒いで遊んでるだけ。
だけど先生もとっても年を取っていて、耳も遠くて目も見えてんのかわかんないくらいのおじいちゃんだから、注意もされないし。
美術の時間は、うちのクラス、いや、全校生徒にとって休み時間の延長のようなものなの。
そんな私は美術部。絵を描いてる時間が一番好き。
悩みも、不安も何もかも。全部忘れられるから。
伊「お、宇野ちゃんやっぱうまいねー。さすが美術部。」
宇「いや、そんなことないよ笑 千晃こそ…」
伊「見ないでよー。まじでやばいから。」
宇「いや、うまいでしょ。見せてー」
伊「やーだー。…あ。」
宇「よっしゃ、取れた…。うん、なかなか、いい、ね笑」
伊「もー、だから言ったのにー…。」
宇「いやまあ、中学の頃に比べたら、良くなったんじゃない?」
伊「…それも、褒め言葉としていただいとくよ。」
宇「もー、ごめんね?」
伊「ん。可愛いから許す!」
宇「ふふっ。ありがと。」
千晃の絵は…ご想像にお任せしとくね笑
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