大切な人

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小学校の頃から、宇野ちゃんはクールで、大人だなぁ、と思っていた。 だけど明るかったから友達は多かったと思う。 そんな宇野ちゃんは争いが嫌いで、自分の意見はしっかり持っているけど相手のことを一番に考える、優しいお姉ちゃんって感じだった。 だけどある日。争いが大の苦手な宇野ちゃんが、友達と言い争いを起こした。 それは、私をかばったから。 宇「どうしてそんなことするの!?千晃が何かしたの?」 伊「うの、ちゃん…グスッ」 「だって、そのボールが欲しかったんだもんっ!」 宇「だったら、言葉で言えばいいでしょ?自分が遊んでてそんな風に取られたら嫌じゃない?」 「だって…。」 宇「ほら、たけるくんも一緒に遊ぼ?みんなで。ね?」 「うん…。千晃ちゃん、ごめんなさい。僕も一緒に遊んでいい…?」 伊「…うんっ! 宇野ちゃんありがとっ!たけるくん、行こ!」 「うんっ!」 今思えば、幼い子供同士の小さな喧嘩だったけど、宇野ちゃんがいなかったら 私は泣いてばっかりで、ボールは取られたままだったかもしれない。 けど宇野ちゃんがいてくれたから、私は笑顔になれてボールはみんなで使えた。 宇野ちゃんは同級生とは思えないほど、大人みたいな話し方で心から安心できる。 そんな少し大人びた宇野ちゃんだったからこそ みんなから反感を買いやすかったのかもしれない。
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