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____________3年前、中学1年生。
-Ito side-
宇野ちゃんは学年で常にベスト5に入るほど頭がいい。
だから教え方も上手で、先生のつまんない授業なんかよりとってもよく理解できる。
伊「宇野ちゃーん、ここ教えてー。」
宇「んー?ここはね…」
伊「おー、なるほど!そうやってやればめっちゃ早くできるね!ありがとっ」
宇「ううん、全然。またいつでも聞いてね?」
宇野ちゃんとはクラスは別々だけど、マンションが同じだからいつも一緒に登校したりしてる。
今はその帰りの寄り道で、家の近くの図書館にいるの。
伊「宇野ちゃん最近どう? そっちのクラスは楽しい?」
宇「…相変わらず、無難に過ごしてるよ笑 千晃は?」
伊「私はまぁ普通かな。 でも宇野ちゃん不足で倒れそう…」
宇「何言ってんの笑 千晃は友達いるでしょ。」
伊「一応いるけど…。なんかその言い方、宇野ちゃんにはいないみたいじゃん。」
宇「うん、いないよ。てか、必要ないもん。千晃以外。」
伊「宇野ちゃん…。嬉しいけど、少し心配だよー。」
宇「なんでよ。一人が楽なんだもん。好きなことできるし、気遣わなくていいし。」
伊「まぁ、宇野ちゃんがいいならいいんだけど…。寂しかったら、私のクラスいつでも来ていいからね?」
宇「それはこっちのセリフだわ笑」
伊「なんでよー笑」
宇野ちゃんは一人が好き。昔から。
それを知っているから無理に友達を作れ、とは言わないけどやっぱり少し心配なのが本音。
だって女の子って派閥みたいなの作るでしょ?
人に合わせたりするのは正直疲れちゃうけど、どっかのグループにいないと仲間はずれみたいにされちゃうし。
だからと言って、宇野ちゃんにとってそんなこと、気にもならないんだと思う。
私は弱くて、周りに人がいないと不安になっちゃうけど
宇野ちゃんはしっかり"自分"を持ってるから。
だから私の中で宇野ちゃんは、尊敬してる人でもあるし憧れの人でもある。
そんな親友のことだからなんでもわかってるって思ってた。
たとえどんなに離れてても、何かあったらすぐにわかるって。
だけど気づけなかった。こんなにも近くにいたのに。
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