大切な人

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-Uno side- 平和主義の私は毎日を無難に過ごせるようにクラスの中にひっそりと身を潜めていた…はずなのに。 一週間前から少しずつ感じるようになった視線の数々。 授業中にヒソヒソと聞こえる声。 それらは全て私に向けられていたことだったんだと、今やっとわかった。 「…なに、これ。」 引き出しを開けると中から出てきたゴミくず。 それと同時に聞こえる笑い声。 あぁ、なるほど。だいたい読めた。 まぁこんなことしてる人たちからすると、ここで私がどう反応するのか見たいんだろうけど そんなくだらないものに付き合ってるほど暇でもないし。 ゴミはゴミ箱に捨てるって、幼稚園生でもわかることなのに。 本当幼稚すぎる、ここのクラスメイトは。 そう思いながらゴミを捨てた時… -チッ そう聞こえた舌打ち。 私を見てる暇があるなら、もっと勉強したらどうなのって思うけど。 だけどこれは、ただの始まりに過ぎなかった。
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