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あの日ゴミを入れられてから一週間。
それはさらにエスカレートしていった。
教室に入るたびに視線を感じ、席に着けばコソコソと話し声が聞こえる。
すれ違うたびに一度振り返られ、私が歩いたところは誰も通らなくなった。
でもそれは、私が気にしなければ問題のない話。
だから、千晃には何も言わなかった。
だけど、そんな私の態度が気に入らないのか
だんだんとひどくなっていった。
朝、いつものように聞こえる陰口。
気にすれば同レベルになってしまう、そう思う私はいつものように
気に留めず席まで歩く。
…………なに、これ。
机の上に書かれた文字。
ウザい
目障り
ムカつく
消えろ
死ね
たくさんの悪口。
なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの。
私が何をしたっていうの。
そんな怒りと悔しさがこみ上げてくるのを抑え、教科書を引き出しに入れる。
移動教室から帰ってきた時、私の机から離れていく生徒の姿。
嫌な予感を覚えながら、次の授業の準備をしようと引き出しを開けたとき。
宇「……な、んで。」
ズタズタに切り裂かれた教科書。
破られたページの残骸。
こみ上げてくる涙を必死に抑えながら、自分をなんとか保つ。
「お前のその態度、ムカつくんだよ!」
「頭いいからってあんま調子に乗んなよ!」
言いたいことをここぞとばかりに言ってくるクラスメイト。
あまりにも理不尽で、一方的すぎて…。
言葉にならない感情が次から次へとこみ上げてきて
零れ落ちそうな涙を必死でこらえていた時…。
「宇野ちゃーん!」
宇「…ちあき」
伊「うの、ちゃん…?どうしたの、それ…。どうして、泣いてるの…?」
宇「ちあ、き……グスッ」
ちあきが来てくれた安心感と、こんな姿を見せてしまった惨めさと……
たくさんの感情が入り混じり、今までこらえていた涙がどっと溢れた。
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