苦手な男子

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さて、私の絵も仕上げに入るところ… デッサンは本当に面白いんだ。鉛筆の角度によって、太く描いたり、細く描いたりできる。 濃く描いたり、薄く描いたりも。 あ、ここの部分もう少し影つけた方がいいかも… _______________どんっ。 背中に衝撃があって、手が揺れた。何もかもが、真っ白になってしまった。 目の前には、さっきの衝撃で、濃く黒い線が無残にも、はっきりと残されていた。 言葉にできない苛立ちが、どんどん大きくなってゆく。 振り向くと、同じクラスの男子…西島くんが、眉を下げ、困ったような顔でそこに立っていた。 小学校も中学校も違うし、何より男子と接するのが苦手な私は、彼と話したことがなかった。
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