【完全犯罪は有り得ないという前提でキャラに完全犯罪をやらせる】

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『「交換殺人」。 これはパトリシア・ハイスミスの某作でミステリー上で初めて使われ、様々な作家によって様々にアレンジされて来た。 逆に言えば手垢のついたテーマで、使うのであれば余程の新味がないと欠伸を禁じ得ない所である。 ところがあえて、このテーマに挑戦して書いてみては、どうだろう。 妄想を膨らませる事が第一歩だ』 ↑↑ なるほど! 確かに『交換殺人』を扱った作品は、古今東西あちこちに有りますよね! (例えば、Aという人物が殺したい相手をBという別の人物に代わりに殺させ、そしてその見返りに、今度はBが殺したい相手をAが殺す。 そして、お互いそれぞれに自分が殺したい相手の殺害時刻に完璧なアリバイを作っておく…) そして、その『交換殺人』を扱った作品のほぼ全てが、結局は失敗に終わってしまうというストーリー仕立てになっています。 そうなんです! 優れたミステリーの醍醐味は『完全犯罪のはずが、なぜ失敗に終わってしまったのか?』なのです! 犯人にとっては『犯罪の失敗』…それは同時に犯罪を追う探偵や刑事にとっては『事件の解決』を意味します。 つまり、物語の作者達は『完全犯罪など絶対に有り得ないという大前提で、あえて登場キャラに完全犯罪をやらせて、失敗させている』訳なんですね。 そして、その犯罪計画の内容が一見、完璧であればあるほど、その計画が崩れた時に読者はミステリーの醍醐味を十二分に堪能する訳なんですよね。 そこで私なんかは、『できるだけ凝ったトリックを使った完全犯罪』や『驚きの犯人』や『意外な犯罪動機』などなどをまずは、自分なりに妄想してみます。 (も、もちろん!あくまで妄想の中でのお話ですよ。汗) そして、その『妄想上の完全犯罪計画』が出来上がった所で、 逆に今度は『この完全犯罪は、どうやったら失敗するだろうか』を妄想してみるのです。 『犯罪計画の欠点作り』…これは、事件を追う探偵や刑事が主人公の場合でも、はたまた犯罪を行う側の犯人が主人公の場合でも、どちらにも応用が利きます。 つまりは、ミステリーのプロットを考える場合、『探偵や刑事側の視点と犯人側の視点両方から同じ一つ事件を検証してみる』のがミステリー・プロット作りには大変有効だと思います。 探偵や刑事は、どうやって事件を解決したのか…。 犯人は、なぜ犯罪に失敗したのか…。 (あ、重ねて申しますが、もちろん本物の犯罪者になったら絶対に駄目ですよ。汗)
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