【時にはジャンルを迷走させるのも技法の一つ】

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『作品を読んでみて、 「はて、この話のカテゴリーにはホラーと有るが…流れからしてどういうホラーになるんだろう」と、先読みさせない展開は面白いです。 これが重い文体なら、 「ああ、ここからホラーっぽくなるんだな」 と読めるんだけど、そこを軽い喉越しのライトテイストな文章にする事で「罠」をはれますね。 そこでは、また全体構成の巧みさが活きてきます』 ↑↑ なるほど! 先のページでも述べさせて頂きましたが、ホラーでありながら、文章を『ホラーっぽくさせない』事でストーリーを先読みさせない効果も有る訳ですね。 『コメディと見せ掛けておいて、実はホラー』。 逆に『ホラーと見せ掛けておいて、実はコメディ』。 これは他のジャンルにも言える事で、 『ラブロマンスと見せ掛けておいて、実はミステリー』 『学園ものと見せ掛けておいて、実はSF』 『SFと見せ掛けておいて、実はミステリー』 と言った具合に、作品中で『ジャンルを迷走させる』事でストーリーの先読みをさせず… その結果、その先の展開に興味が湧くという効果を生み出せる訳です。 (もちろん、ジャンルを迷走させない書き方も、作品全体に独特のトーンが生まれ、お話が頭に入りやすいので一つの技法と言えます) ジャンルの迷走は、一歩間違えますと『どっち付かず』の印象を与える事も有りますから、 全体の構成にも配慮が必要となりますね。 私個人的は、この『ジャンルの迷走』…変化球みたいな作品は結構、好きです。
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