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「そうそう」
彦星は、そう呟くと二人の前に仙桃が山ほど入ったかごを置いた。
「天帝からの贈り物だ。君らの刑の終わりを喜んで、ケンジさんが見えるから一緒に食べるといい。そして、三人で銀河鉄道をまわるといい」
「やったー!仙桃だ!」
「ケンジさん、久し振りだ!楽しみー!」
宮沢賢治の未完のの大作『銀河鉄道の夜』に登場するジョバンニとカムパネルラは、遥か宇宙の果てで星の原の住人となり、今も仲良く走り回っていることだろう。
そこには作者・宮沢賢治も加わっているかもしれない。
いたずらの罰から抜けた彼らの笑い声が天の川から聞こえてくるかもしれない。
そんな夢をこの物語を書いた私は七夕の夜に想像してしまうのだ。
なんと素敵な友情なのだろうと。
終章・完
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