2 思い出

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祖母には、私を含めて5人の孫がいる。 父の子は、私と兄、弟の3人、叔父の子が男2人。 祖母は私たち家族と同居していた。 長男である父がそのまま家督を継いだからだ。 昔ながらの風習、慣習が残っている田舎だから、 家督はその家の長子が継ぐものと思われている。 祖母は、長男がちゃんと継いだことを当たり前と思っており、また その次の世代もそうしないといけないんだという意思が強かった。 兄が生まれたことにより、安心し、家督を継ぐこととなる兄には、すごく甘かった。 その後に生まれた私と弟はオマケのような感じだった。 態度は変わらないが、ちょっとした差別はあった。 兄には買ってあげたものを、私たちには買ってくれなかったり、兄のわがままには何も文句を言わないのに、私と弟のわがままには何でも文句を付けたり、不満を漏らすことが多かった。 幼い頃は気付かずにいた。祖母よりも、私たち兄妹3人を比べることなく、可愛がってくれる存在がいたから。
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