2 思い出

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その存在とは、曾祖父と曾祖母だ。 祖母の親にあたる二人。 幼い頃は、その二人が幼稚園の送迎やご飯を作ってくれて、両親の仕事が終わるまで世話をしてくれた。 物心がつく前には、二人の存在は当たり前で、 祖母よりも可愛がってくれた。 小学生になると、ますます2人の存在が あの頃の私にとっては、素直に甘えられる存在だった。 学校から家に帰ると、 玄関まで出迎えくれる曾祖母がいて、 いつも「おかえり」と言って待っててくれた。 曽祖父もリビングの曽祖父専用の椅子に座り、 私と弟を見ては、「おかえり」と笑顔で、 出迎えてくれた。 あの頃が一番素直だった気がする。 あのテレビ番組がみたいなどのわがままも、 全て受け入れてくれる2人。 母に怒られて、物置に閉じ込められた時も、 「もうするんじゃないよ。お母さんに謝れるね?」 と優しい言葉を言ってくれながら、 物置から出してくれたのも、2人だった。 2人がいたからなのかは分からないが、 その頃の祖母はまだ優しかったと思う。 共働きの両親に変わり、 私達のご飯を用意するのは、祖母だった。 料理上手で、私達が好きな食べ物をリクエストしたら、 必ず作ってくれていたのだから…。
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