0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
その存在とは、曾祖父と曾祖母だ。
祖母の親にあたる二人。
幼い頃は、その二人が幼稚園の送迎やご飯を作ってくれて、両親の仕事が終わるまで世話をしてくれた。
物心がつく前には、二人の存在は当たり前で、
祖母よりも可愛がってくれた。
小学生になると、ますます2人の存在が
あの頃の私にとっては、素直に甘えられる存在だった。
学校から家に帰ると、
玄関まで出迎えくれる曾祖母がいて、
いつも「おかえり」と言って待っててくれた。
曽祖父もリビングの曽祖父専用の椅子に座り、
私と弟を見ては、「おかえり」と笑顔で、
出迎えてくれた。
あの頃が一番素直だった気がする。
あのテレビ番組がみたいなどのわがままも、
全て受け入れてくれる2人。
母に怒られて、物置に閉じ込められた時も、
「もうするんじゃないよ。お母さんに謝れるね?」
と優しい言葉を言ってくれながら、
物置から出してくれたのも、2人だった。
2人がいたからなのかは分からないが、
その頃の祖母はまだ優しかったと思う。
共働きの両親に変わり、
私達のご飯を用意するのは、祖母だった。
料理上手で、私達が好きな食べ物をリクエストしたら、
必ず作ってくれていたのだから…。
最初のコメントを投稿しよう!