罪の亡失

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ん? 気がつくと僕は狭い部屋のベッドで横たわっていた。 そうだ、警察に話を聞いたあと一人暮らしをしていた家に帰されたんだった。そしてそのまま寝ちゃった。 さっきのは夢? まぁ夢でもなんでもいいや。僕は自分のしたいように生きるんだ。まずは、 あの助けてくれた女性にお礼をしなくちゃ。 何がいいだろう。 ピンポーン 部屋のチャイムがなる だれだろ? まさか… 警察? ピンポーン はい今出ます。 緊張感と恐怖に押しつぶされそうになりながら 玄関に向かう。 そして震えた手でドアノブに手をかける !? 結果から言うと部屋に訪れたのは警察ではなかった ドアを開けるとそこには自分を助けてくれたあの 女性が立っていた 二人の周りが真空のように無音となり少し不思議な 時間が流れていた そして話しを切り出したのは彼女からだった。 あ、あのお久しぶりです。 記憶が混乱していたようなのでなんか心配に なっちゃって警察の方に住所を教えてもらって 来ました あの迷惑だったらほんとすいません でも昔から思った事は行動にしないと気が済まない 性分なんです。 あ、そうなんですか。 で記憶の方はどうですか? (記憶は戻っていない.でも自分が倒れていた理由は わかる。もしさっきのアレが夢などではないのなら その理由は当然彼女に話せた内容ではない) いえ。まだ何も (平然と嘘を付いてしまった。) 自分の嘘の自然さに吐き気がした そうですか。 早く戻るといいですね。 …ええ
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