罪の亡失

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コンビニで今週発売された漫画雑誌を立ち読みする青年。好きな漫画のページが終わるとそっと漫画雑誌を閉じる。雑誌を置くと足早にコンビニを出る 毎週雑誌の発売日になるとこのコンビニに足を運ぶ青年はコンビニの従業員たちから煙たがられていた。立ち読みのためだけに来客し何も買わずに 帰って行くのだから当然といえば当然だが。 青年も快く思われてないことは重々承知の上だ。 でも立ち読みは辞められない。 コンビニ従業員からの好感度より無料で雑誌が読めるという方が青年にとっては大事なことだった。 コンビニから出て帰路につく青年 はぁ 寒いなぁ。 思わず口に出た。 それもそのはず。季節は冬 しかも十年に一度の大寒波ときた 。はぁ 今日の日付は十二月二十四日 Christmas Eve こんな日にやることがコンビニでの立ち読みだけなんて、 そう考えると足取りが重くなる。 早く家に帰ろ 寒いし 早歩きで歩く青年 イッテェ あっすみません 前方から歩いてくる人に気づかず肩が当たった 青年はぶつかった相手の方を見た 相手は二十代前半の男性だった 見た目は柄の悪い 印象を受ける風貌だが 身に付けている装飾品や服装で金持なのがわかる テメェどこみて歩いてんだよ すみません うるせぇんだよ !!? その男はそう声を荒げると青年に殴りかかった や、やめてくださ ボキッ 痛ッ 男の右ストレートをモロ顔に受け倒れこむ青年
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