罪の亡失

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そうだよ。僕が君に抱いている感情だ。 君は、、蔵山茂は親を知らない。人からもらえる一番素敵なもの。愛情を貰らったことがない。だから僕は君が憐れだよ。 まさか人ですらない君に同情されるとは。 人だよ。 僕は忘れていない。広場で助けてくれたあの人のこと。彼女は確かに僕を認識していた。 僕は他の誰でもない。 僕は僕自身なんだ。君と話してたらこの自問の答えが出たよ。君よりはよっぽど人間だよ僕はね。 フフッ 君はやっぱり感情的だよ。 そうかもね。 でもそれでいいんだ。 、、、 まぁいいや。それよりそろそろ本題に入ろう。 君は事件があった二日後に事件の隣町の駅で倒れていた。しかも君は全身アザだらけで記憶を失っている。 警察は事件に君がなんらかの関わりがあると考えるだろう。もしかしたら容疑者の一人に既になっているかも。 どうするんだ。今この体は君のものだ。自首でもするのか?それとも、 オリジナルの人格はその質問の答えを分かっているはずだ。 でも答えるまでこの質問は終わらない気がした。 仕方ないなぁ。 どうするって、自首なんかしないよ。 分かってるとは思うけど君のために自首しない訳じゃない。僕は僕のために自首しないんだ。これから一人の人間として幸せに生きていくんだ。 自分が何者なのか理解できた。これから僕は僕として生きていきたい。だから君の犯した罪を償う気なんてない。僕は君じゃないから。 何回言わせるの?君は僕だ。 君こそ何遍も同じことを言わせるなよ。 分かったよ。 でもさっきも言った通り君は警察に付きまとわれることになるよ?いつか捕まる。 捕まらないようにするさ。 そもそも僕は殺してない。殺ったのは君だ。 罪の意識がない。そもそも罪を犯してないんだから 警察もどうもできない。 、、、 まぁ逃げ切ってみせるよ。 そうか。 せいぜい僕が眠りから覚めるまでその身体で人間ごっこしてなさい。
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