Good Morning, Layla.

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 向かい合わせに座ると、ますます私たちは似ているところがないように思えた。方やどこぞの伯爵夫人、方や派手な色をしたスーツを着た男みたいな女。一体どういう関係なんだろうかと、きっと周りからは思われるだろう。でも私たちの中指にはめられたシルバーリングだけが、これまでの長い絆を示していた。 「まったくもう、いつの間にそんな綺麗になったのかしら。やっぱり大学ってここと全然違うの?」 「そりゃねぇ。楽しいものよ。自分の知らなかったことを毎日学べるんだもの。楽しいわ、いろいろ差し引くと」 「本当、そういう皮肉っぽいところも変わらないわね」  馬車が向かう方向は私のしっている場所ではなかった。そうか、彼女はもう昔と違う家に住んでいるのか。確かに今まで何度か手紙を送ってくれていたけれど、住所まで見る余裕はなかった。実家とはそう遠くはないけれど、町外れの森を超えないといけないらしい。これは街で買い物をするにも一苦労だろう。  ガタガタした石畳を走る間も思い出話は尽きなかった。よく通ったクレープ屋さんはまだあるのかとか、果物屋で買い食いをした杏の味とか、よく走り回っていた草原の香りとか。そういう二人で一緒に過ごした日々のことだけでなく、レイラは私に大学の話を聞きたがった。  ご飯はどうしているのか。学問はどういうものなのか。どういう勉強をしているのか。私が答え切る前から矢継ぎ早に質問してくる。それに一つ一つ答えていると、もう直ぐ目的地に到着すると馭者に言われた。     
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