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一定のリズムを刻む針の音で
重い瞼を開ければ
もう随分と見慣れた天井を見詰めて
「 おはよう 」
と、沢山貼り付けられた
彼女の写真達に向け
頬を緩ませながら挨拶をする。
朝目を覚ましたら
一番に君を見れる状態にしたくて
何枚も何枚も、君の事を撮ったんだ
なんて言ったら
君は顔を顰めて怒るのだろうか。
きっと彼女の事だから
照れながら怒るに違いない、と思えば
ベッドから身体を起こし
適当な身支度を済ませてから
僕は自宅を後にした。
スクールカースト内でも
下層勢である僕の身支度なんて知れたもので
ほんの数十分、 否、 数分で終わる。
だからこそ、いつもより遅く起きてしまった
なんて状況下に置いても
余裕を持って登校しているし、焦る事もない。
準備に時間がかからない事こそ
僕の、下層勢の取り柄だと思っている。
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