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「 いや 、本当に面白かったの!」
妙に耳に馴染む声が
歩く僕の鼓膜を震わせた。
特別良い声をしているだとか
特徴的な声だとか、
そういうのでは無いのだけれど。
聴いていて、凄く落ち着く
僕の大好きな彼女の声。
「 あ、おはよ!」
僕は此処に居るのに
彼女の視線は、僕の後方へと流れ
僕ではない他の人に送られる。
照れているのだろうけれど
僕に気付いていない振りをする事は
流石に頂けない。
彼女が照れて言えないのなら
僕から、と口に出した「 おはよう 」は
隣の女子生徒の煩わしい声で掻き消された。
嗚呼、こんな女
死ねば良いのに。
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