第1章

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本も出会いが大切だ。今回はピンと来なかった。小説はやめて代わりに車の雑誌を手に取った。ゴルフ雑誌と車の雑誌を買って店を後にした。車に乗ってエンジンをかけながら子供の笑い声を思い出して、ふっと笑ってしまった。うるせーガキどもだったな。 子供は寝る時間だろうに。そんな事を思いながら家に向かって車を走らせる。余程インパクトがあったのか耳に残る子供のキャッキャと笑う声がリアルに感じられた。 ふと、バックミラーを見ると心臓が跳ねた。慌ててハンドルを切って急ブレーキをかける。歩道ギリギリに幅寄せして止まった。ハンドルを握ったまま顔を伏せる。さっきよりも鮮明に聞こえる子供の笑い声に意を決して顔を上げた。 そうっとバックミラーに目をやると声にならない声が出た。 子供が後部座席に座ってた…5人ほど…。 驚いた俺はシートベルトも外さずドアをガチャガチャと開けて外に逃れようともがいた。降りれない。テンパりながらシートベルトの存在に気づいて、震える手でシートベルトを外した。転がるように道路に落ちると歩道に逃げた。 なんだなんだ!何故、子供が乗ってるんだよ!!
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