Bの肖像【知らぬは本人と一族ばかり。】

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社長の奥様は、ある専門職。 資格がないと出来ない仕事をなさっています。 こういう方達は、同じ職業でのネットワークが形成されている事が非常に多いです。 そして、社長の奥様のお友達兼同職者に、とある御仁の伯母様がいらっしゃいます。 更に、とある御仁と社長ですが、とある御仁から見て、社長はお客様でした。 ふふ…。 世の中って、狭いのですね? 意外な繋がりなんです。 まぁ、ここで重要なのは、社長の奥様が、職業仲間という独自のネットワークを持っていた、という事。 そして、Bの“講師”という仕事で講演会をしている場所に、社長の奥様と同じ職業の方達が勤める会社が多々あるのです。 もしかしたら、社長の元奥様も、Bの講演会に参加しざるを得ない状況下に陥っていたかもしれませんね。 会社の就業一環ですから、出席しないわけにはいきません。 ただ、これは実際に起きた事。 とある御仁の伯母様は、Bの講演会に参加した事があります。 その際、 あぁ、この女か。 趣味悪い。 そもそも、不義を働いた人間が、平然と“道徳”を語って収入を得ているなんて拝(おこが)ましいにも程がある。 と、思ったそうです。 社長の元奥様、同職ネットワーク内で、Bの名前、自身の伴侶と不義を働いた事などなど。 キッチリ広めていたのです。 ですから、事実を知っているのは数人の話ではないのです、実は。 それでも、Bは真実を知る人間は、従兄弟くらいと思っているのか…。 今も“道徳”を講演会で語り続けています。 もしかしたら、真実を知る人間の数の多さも予測出来ているかも、しれません。 それでも尚、“道徳”語りをビジネスにしているとしたら…。 随分と図太く、面の皮が厚い…。 脅しの笑みも、胡散臭い笑みも、お手の物、というわけです。
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