Bの肖像【従兄弟のみが知る真実?】

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不倫を知った結果として。 従兄弟は通年雇用の話を断りました。 不倫を知らなければ、間違いなく就職していた、と当時を従兄弟は語ります。 そして、従兄弟の短期バイトが終わってから暫らくして。 Bが離婚しました。 離婚原因は、Bの不倫ではありません。 何が“原因”で離婚に至ったのか、従兄弟は知りません。 ただ、Bの離婚の際、ちょっとしたパフォーマンスがあったのです。 Bの旦那様が、 私が至らないばかりにこんな事(離婚)になってしまい、申し訳ありません と、近しい親戚宅を回って詫び入れをしていった、というのです。 勿論、従兄弟の家にもやって来て、謝罪して行きました。 その場に、従兄弟も居合わせたそうです。 その様子に、従兄弟は、 この人はBの不倫を知らない 何を離婚原因に祭り上げられたかは知らないが、貴方は悪くない と思ったそうです。 自身の不義を伏せ、巧みに伴侶に問題がある、と離婚を押し切ったのだろうと想像がつきますね。 この旦那様のパフォーマンスで、Bが悪くて離婚したのではなく、全面的に旦那様が悪い、といった図式が出来上がりました。 自身の一族の不祥事を揉み消したい気持ちの悪い一族も、良いように納得していた事でしょう。 そうじゃなければ、現在の気持ちの悪い関係は成り立たないわけです。 どんな関係か、ですか? それも追い追い…お話致します。 ふふ…。 さて、ここまでで。 Bの不倫を知る人物は、従兄弟のみです。 ところが。 蛇の道は蛇。 壁に耳あり障子に目あり。 そして、世間は狭いのです。 この画廊の主である、とある御仁。 実はB側からの話を聞いた他に、この話を聞いているのです。 そう。 社長の元奥様側から。 えぇ、社長も離婚致しました。 こちらは、社長の不倫が原因です。 ふふ…。 従兄弟に気付かれてしまった原因を作ってしまった社長ですから…。 奥様にバレないように、なんて、到底無理な話ですよね。
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