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「いや、そのさ・・・・・・」
友人は隆彰から目をそらした。気まずそうに、ぽりぽりと頭の後ろをかく。
「彼女の友だちがさ、どうしても隆彰に会いたいって、これから来んのよ・・・・・・」
「は? そんなの知らねー、っていうか、なんも聞いてないし」
「頼むよ! 隆彰がこうゆうの嫌いなのは知ってたけど、どうしてもって頼まれて、俺も困ってんのよ。彼女の話では、白鷺女子の中でも近隣の男子校のやつらに知られるくらいかわいい子らしいし・・・・・・、一度会うだけでも、な! 頼むよ! このとおり!」
友人は拝み倒す勢いで、頭を下げた。
「いいじゃん。会うだけなら別に会っても。こっちにはなにも損はないんだし」
「そうそう。ひょっとしたら、悠馬の彼女の話どおり、すっげーかわいい子かもしんないじゃん」
「そしたらおいしくいただいちゃったりして」
「えー、やっだー、隆彰くんたら、エッチー!」
無責任に囃したてる友人たちに、隆彰は眉間にぐっとしわを寄せた。
「そんな女、自惚れが強いにきまってる。誰にでも簡単に脚を開くような女、怖くて寝てられっか」
「だったらさ、誰にでも脚を開くような女じゃなければいいの?」
ひとり冷めた顔をして、じっとこちらを眺める梓真に、隆彰は眉をひそめた。
「・・・・・・梓真、おまえなにが言いたい?」
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