女子高生マンガ家

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「…う」 おいしそう。お腹すいた。 カロリーメイトばっかり食べてたから、普通の食事が恋しい。 ……でも 「や、やっぱりダメ!やめとく!食べてたら遅刻しちゃうもん」 「なら、食べながら行けばいいでしょ。サンドイッチなんだし」 「い、いやだよ。恥ずかしい。とにかく、もう行くから」 「あ、ひまり! ……もう無理せず、ちょっとくらい遅刻しても、食べていけばいいのに。変なところで真面目なんだから」 お母さんのそんな声を背に受けながら、私は玄関へ。 靴をはくついでに、置かれているくつも確認する。 ……お姉ちゃんのくつは、ない。 ってことは、もう学校に行ったのか。 (……じゃあ、やっぱり急がないと) 『あの人』を見れなくなっちゃう。 「いってきまーす」 再びそう言って、家を出る。 朝の日差しが寝不足の目に、刺すように染みてきた。
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