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愛してる
休みが始まる前は長いと思っていた夏休みももうあと少しで終わってしまう・・・。
夏休みの宿題は全て終わらせた。
帰宅部の僕には部活がない。
だから特に詰まった予定もない。
本当なら・・・。
「あの・・・雛人くん?」
僕はせわせわと視線を泳がせつつ目の前にいる雛人くんを見つめ見た。
そんな僕と視線が合わさると雛人くんはニコリとして『はい?』といつもと同じように返事をしてくれた。
いや・・・。
『はい?』じゃないから・・・。
「あの・・・何・・・してるの?」
僕はそう言って羞恥心から俯いた。
ヤバい・・・。
本当に恥ずかしい・・・。
「何って・・・拘束ですけど?」
あ・・・はい。
うん・・・。
いや・・・そうじゃなくて・・・さ・・・。
僕はチラリと雛人くんを見て、また俯いた。
雛人くんはニコニコしながら僕を見つめていた。
「友利先輩。僕の方を見てくださいよ」
クスクスと笑いながらそう言った雛人くんは妖艶で意地悪だ。
雛人くんはいつも僕をいじめる。
けれど、僕は雛人くんにいじめられて・・・。
「友利・・・気持ちよくなりたいでしょ?」
「ッ!!」
雛人くんは僕の耳元でそう甘く囁いて僕を誘った。
僕はそろそろと雛人くんを見つめ見た。
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