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もっと・・・。
このところ雛人くんの様子がおかしい。
どこが? と訊ねられるとどこか答えられないけれど、確かに雛人くんの様子はここ最近、おかしい。
僕・・・嫌われちゃったのかな?
そんなことを不意に思うとじんわりと涙が滲んだ。
雛人くん・・・今、何してるかな?
そんなことを思って枕元に置いていたスマホに手を伸ばした。
僕はスマホを起動させてその液晶画面に表示された時間を確認した。
午前9時12分・・・。
今日は土曜日。
僕は帰宅部だから部活もない。
雛人くんも帰宅部だから家に居るかな?
それとももうどこかに出掛けてるかな?
ふと窓の外に目を向けた。
窓の外はどしゃ降りの大雨だった。
流石に今日は出掛けてないかな?
そんなことを思った。
けれど、雛人くんなら傘も指さずにふらっと行く当てもなく出掛けて行きそうだなとか思った。
雛人くんは何を考えているのかわからない。
それが雛人くんの魅力であり、僕を否応なく不安にさせる原因でもある。
僕はもっと雛人くんのことを知りたい。
もっと・・・もっと・・・。
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