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私は彼が優しい人だって知っている。
ちょっとベタな話だけど。。。
あれは二年前、捨てられた子犬を見つけたときのことだ。
「お母さんに怒られるし、止めようよ」
「やだよ。コイツ可哀想じゃん」
私は犬を連れて帰るのに反対だったけど、トウマは頑として聞いてくれなかった。
内緒で子犬を持って帰ると、すぐに見つかった。案の定、彼の両親に怒られた。
それでもトウマは諦めなかった。
里親を探すから、それまで何とか家に置いて欲しいと両親を説得し、熱意で子犬を守ることに成功した。
「良かったな!しばらくココがお前の家だからな。」
子犬を撫でる優しい手。
「それにしてもお前、ブッサイクだなーw
誰にも貰われなかったら、家で飼ってやるよ。だから、安心しろよな」
トウマは子犬を抱き上げた。
その時の笑顔は一生忘れない。
結局、子犬は千葉家の一員になった。
口が悪いけど、トウマはとても優しくて情熱的な人。私だけが知っている。
初めて出会ってから、ずっとそばにいてくれたトウマ。
未だ高校生になっても私と毎日一緒に登下校してくれるトウマ。
これって勘違いしても仕方ないよね?
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