バイバイ☆ゾウ子の恋

8/10
前へ
/50ページ
次へ
その日の放課後。 二人並んで歩く道。 いつもの道なのに何だかとても長く感じた。 夏はまだこれからなのに、じんわり汗がにじむ。 街路樹の緑がキラキラ眩しい。 「。。。。。。」 急に緊張してきた。 なんだか喉が渇く。 私の頭はこれからの告白でいっぱいで、ぐるぐる色んな思いが巡っていた。 「ゾウコどうした?腹減ったか?タコ焼き食いに行くか??」 無言の私を心配してか、トウマが覗き込むようにして話しかけてきた。 サラッと揺れる前髪、長い睫毛。。。幼い日の思い出が蘇る。 「すき。。。」 彼の顔を見ていたら、自然と言葉がこぼれ落ちた。吸い込まれそうな綺麗な瞳。 そこに映る私の姿。 トウマが私を見ている。 「ゾウコ。。。」 トウマの綺麗な形の唇から、私の名前が飛び出した。 (本名じゃないけど。) 私のハートも飛び出そうだ。 「俺もお前に言いたかったことが。。。」 「お前って。。。ドムに似てるな」 「。。。は?」 「知らねぇの?機動戦士ガ〇ダムに出てくるドム」 。。。彼は何を言っているのだろう? 続けて、私の好きな唇からヒドイ言葉が出てくる。。。 「てか、お前みたいな太い足の奴と誰が付き合えるんだよ。でも、ブサイクだし。。。」 そこまでトウマが言った時、私の身体が動いた。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加