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『匠(タクミ)!ねぇ!匠!!起きてよ!外に行こう!』
幼さの残る恋人に体を起こされ、窓を見ると、土砂降りの雨が降っていた。
大きくため息をついて『賢人(ケント)、今日は雨だろう。足元濡れるし、別の晴れた日に出かけよう。』
諭したところで、賢人は更に体を揺り動かしてくる。
寝ている俺を起こすときは決まってこういう雨の日だった。
無邪気に微笑み、俺の上に跨りながら外に行こうと何度もねだり、結局いつも根負けして、土砂降りの雨の中散歩を楽しむのだった。
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