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寄り道して、たくさん迷って、ようやく出会った一人の男、名前は匠。
彼は、とても不器用で自分を表現するのが苦手で、でも相手の事はよく見ていて、良い判断ができる男。
そんな彼に俺は恋をした―――――。
***
匠は、昼休みになると、必ずと言っていいほど、店に顔を出す。
雑貨屋なんてたいして代わり映えのないはずなのに、いつも店に来て、いつも同じものを眺めて帰っていく。
そんな匠の事が気にならないはずがなくて……。
ある日思い切って声をかけてみた。
彼はすごく驚いた顔をしていた。
第一印象からずっと年はさほど変わらないと思ってた。
けど、いつも堅苦しいスーツ姿でネクタイもしっかり上で締めている。きっとお堅い仕事をしているんだろう。
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