君がくれた愛

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好機だと思った。 匠が俺に興味を持ってくれたんだって思って心がウキウキした。 「いるよ。すごーく気になってる人が。」 言った俺の顔をチラッと見た匠は、すぐに俺に背中を向けてしまった。 「そう、ですか。」 結局この話は膨らまずに終わってしまったけど、この日を境に少しずつ話をしてくれるようになった。 いつかの帰り時に、俺は勇気を振り絞ってご飯に誘ってみた。 これまた驚いた顔をした匠は、ものすごく戸惑ってから小さく首を縦に振ってくれた。 表向きは普通にふるまったけど、心は踊り、テンションはマックスに達した。 *** 約束した日。 行きつけのレストランで食事をしながら、互いのプライベートをポツポツと話した。 俺がゲイだと知った時の匠の表情は今でも笑ってしまう。 その後、しばらく口をつぐんでしまった匠は、ふと視線をあげ前の恋人の話をしてくれた。
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