ぼくの夢を叶えました

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大人になって思い返すと、僕らは豊かな環境にあったから不満はなかったんだと気付く。 今の僕を形成してくれた大切な場所だ。 僕が今、今の校長に頭を下げるのは、そんな思い出が後押ししてくれるからだ。 「校長、お願いします!絶対に成功させますから!」 頭を下げる僕に校長は渋い顔をする。 「普通の学校なら、みな喜ぶだろうが、今の状況では……」 「僕は、この学校に恩返しをしたいんです!生徒にとっても僕にとっても最後のチャンスなんです!」 僕は小学校の頃から音楽が好きで、暇があるときは、いつも楽器を触り、歌を歌っていた。 作詞や作曲を始めたのも小学校の頃。 毎日、遅刻する理由も音楽で、居残りする理由も音楽にのめり込み過ぎて宿題をしなかったから。
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