キク十四歳秋

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 二年へ上がった俺たちは、次々と天崎小から来た腕利きたちを、トイレに呼び出しては、ボコボコにして締め上げていった。  トモヤを中心に、狼の群れの如く校内をねり歩く。金が無くなれば他人から奪い、気に入らなければ全員で殴り、上級生さえも恐れるほど、俺たちは人数を増やしていく。  俺はこの大きな勢力の中、自分は無敵なのだと思った。俺がふん反り返りながら廊下を歩けば、雑魚どもがを道を開ける。  そんな二年の二学期、俺はコウちゃんとすれ違った。かれこれ何年も口を聞いていない。目を逸らすコウちゃん。俺にしたって彼に掛けられる言葉を持ち合わさない。  昔は親友だった。コウちゃんはちょっと面倒見がよくて、物知りで、絵が上手いのだ。
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