最終章

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「広田くん、会うだろ? 最近どうよ」  なんとなしに聞いてみる。郷田の頭に花弁が落ちる。 「あー、広田くんか。これキクだから話すんだけど、もうだれも着いて行けない。昔から金ずっと俺たちから集めてきただろ。その為にさ、カツアゲしたり、窃盗したりしてきたわけだ」  まあ、俺は逃げ続けてきたわけだけれども、それでもトモヤの時は、サオリを引き合わせると同時に、掻き集めた金を随分渡した。 「こうやって朝から晩まで働いてみて、金って大事じゃんって思うわけよ。だから払わなるやつが沢山でてくるわけだ」  こいつこの間、コンビニから出てくるサラリーマン襲おうとしていたくせに、よく言った物だ。 「それで払わなくなったやつは、何人も刺されたね。ぐさっと見せしめに。あの人もさ、だいぶ変わったよ。威厳みたいなのが無くなった代わりに、気が狂っちまった。あれじゃまるで……」
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