0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
暑い。 うだるような暑さ。
今日も僕は家で横になり、くだらない日々を過ごしていた。
特にやることもなく、やる気も何がやりたいのかもわからない。
そんな日々がだらだらと続き、気づけばもう20歳になっていた。
親は働きに出かけ、僕はそれを遠目から見送った。
「あー、それにしても今日は本当に暑い、俺を殺す気か」
額から汗が流れ、それをぬぐいつつエアコンのリモコンに手を伸ばす。
電源を入れると同時に涼しい風が僕を癒してくれた。
太陽が照り付け、町中に日光が襲い掛かるような猛暑の今日は、窓から見る限り
外出を控えている人が多そうだ。
蝉がけたたましく鳴き、夏の到来をひしひしと感じさせる。
思えば、俺が家から出なくなってしまったのも、こんな夏の日だった。
18歳の夏、僕は学校から帰宅すると同時に鞄を投げ捨て、携帯を手に取る。
[明日の2時半に、いつものとこ集合]
友人数名で立ち上げたグループラインに、ポンッと一文が追加された。
「やっとかあ...最近試験勉強ばっかでろくに遊べてなかったからなあ。あいつらと遊びにいくのも2か月ぶりくらいになるわあ」
そう一人で呟きながら、ラインに返信する。
[了解!俺より遅れたやつは鉄拳制裁なー、覚悟しとけ笑]
冗談を交えつつ、明日の久々の友人たちとの交流に心を躍らせる。
最初のコメントを投稿しよう!