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高校を卒業後、一年の浪人生活を経て大学生になった私は、およそ一年半ぶりに本屋を訪れた。ブランクを空けてなお、私の「特技」は健在だった。幸いにも私は、まだ本を好きでいられたようだった。
先日、携帯が壊れてしまい、これまで記録されていたデータを全て紛失した私は、とうとう彼女との連絡手段を失った。少なからず残っていた写真も、何もかも。
結局私は、彼女に何も言わぬままだった。
本当にこれで良かったのか、今更悔やんでみても仕方がない。
私は「執行猶予」を反故にした。これはその情けない行いに対する罰だ。そう思うことにした。
悪い事をした。この罪は、生涯晴れることはないだろう。弁解の余地はない。甘んじて受けよう。だから、どうか──
──どうか君だけは、私を忘れていられますように。
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