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(あれが…ヒート…?あんな…あんな風になるのか…)
まるで見せつけるような発情の姿に、身体が震えてきた。
「よし、なかなか早い効果だ…。柴田君、そろそろ連絡を入れてくれ」
ここで矢木が柴田に対して指示を出した。
「わかりました」
従った柴田は内線電話をかけ小声で誰かと話していた。
(――連絡?誰に…?)
疑問が過る中、瑞貴の発情は一層ヒートアップし、スピーカー越しの喘ぎ声は更に高くなっていた。
室内に響きわたる、あられも無い声に耳を塞ぎたくなる。
『あぁ…もう…誰か…誰でもいいからっ…ここ…早くぅ…!』
瑞貴が後孔を引っ掻き回す様にして指を突っ込む。そこは濡れ塗れ、淫液がしとどに溢れ出していた。
オメガ男性が発情すると、後孔が女性の膣のように濡れると聞いてはいたが、まさかここまでだとは、想像を超えた姿に絶句していた。
(何て…姿だ…)
何て淫らなのだろうと…そして気付かされる。
もし、自分も発情した場合は、あのようにして雄を求めてしまうのかと。
「―――っ…!」
(もう、これ以上は…見たくない…!)
思わず耐え切れなくなり、瑞貴から視線を逸らした時だった。
大きな音を立てて研究室の扉が引き開いたのだ。全員が一斉に扉へと注目する。
「矢木室長、意外に早かったな…それにしても…凄い匂いだ…」
「―――!?」
薄暗い廊下と研究室の灯りの境目に、姿を現す上質なスーツを着用した男――。
その人物を見て硬直する。
「冴嶋センター長!お待ちしてました。そうなのです!意外に効き目がよくて…」
(なぜ…この男が、わざわざ…―――まさか!?)
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