叫ぶ本能

20/20
9671人が本棚に入れています
本棚に追加
/445ページ
「っ――…誉さんっ…受け止めて…下さい…っ!」 藪中が私の腰に両腕を回し、何度も何度も腰を真上から打つ。 重心を支えていた両膝がそれにより崩れ落ちそうになるが、彼の腕はそれを許さない。 その体勢は、深く深く雄を飲み込んでは、私の臀部と藪中の恥骨が隙間なく密着する。 そして藪中が内壁を凄まじいスピートで抉り擦りながら、奥深く這入り込んだ腰を捻じ込むような動きをした瞬間―… 「――っ、あ゛っ…ぁ…あぁぅ―――…っ!!」 私は三度目となる欲情をシーツの上にぶち撒けたのだった。 「―――ぐっ…はっ…ぁっ―――!」 そして一足後に、藪中も二回目の熱精を胎内に怒涛のように流し込むと、私の下腹部が蠢いた。その種を一滴たりとも逃さないと、内壁もその奥にある子宮も激しく収縮していた。 「あ…ぁっ…はっ…ぁあ…っ―――」 迸りを受けながら、私はオメガとしてアルファである藪中に、精を植え付けられた事に心底歓喜し陶酔する。 そう認めざるを得ないぐらいに、発情で持たされた性交は壮絶な快楽だったのだ。 「あぁ…誉さんっ…」 藪中が繋がったまま私の身体を反転し正面に向かせた。 「―――っ、あ…藪中さ――…っんぅ…」 間近に藪中の顔が迫った時には、お互い果てた直後で息も絶え絶えになりながらも、濃厚な口付けを交わしていた。 その間、胎内に埋まったままの藪中の熱精は止まるどころか、どんどん先端から吹き出す感覚を最奥部で感じていた。 続けられる口付けの最中、この熱く狂おしい長い夜はまだまだ終わりそうに無いと涙に濡れた瞳を閉じる。 きっと私達の情交はこれだけでは終わらないと…。 その現実に戸惑いを覚えながらも、私は藪中の汗ばんだ背に腕を回したのだった――。
/445ページ

最初のコメントを投稿しよう!