第2章 それは、永遠の――

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 1  日が傾きかけた頃、私は空飛ぶ車の中にいた。  件の男の人が操縦席に座るその後ろの席で俯きがちに縮こまる。全てを捨ててきたはずなのに、何故か気持ちは晴れない。  彼のもとを離れると決意した、それなのに心は泣いていた。車窓の外に広がる街並みを見ると、彼との思い出がよぎって苦しい。  ――心が、凍えていた。  件の男の人に連れられやって来たのは、街の中心部にある高いシンボルタワー。  ここで何をするんだろう?  人が沢山いる中を掻い潜り、一直線に正面のエレベーターまで進んで行く。  私の基は人工知能で、この人は私を必要だと言っていた。でも、何をするのかは聞かされていない。 「あの……」  エレベーターに乗ると同時に男の人を見上げ、おずおずと訊ねる。  
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