チョコレートよりも甘く

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「名前で呼んでるんだよね…?」 「え?」 「流山さんのこと。さっき電話…」 「あぁ、素が出てたか」 納得したように頷く。 「素ってよく一緒にいるの?」 「ん?まぁ同期だから一緒にいる時間は長いかもな」 あたしも同期だったらよかったのかな。 そしたらこんな思いしなかったのかな。 「あたしも同い年に生まれてこればよかった」 「は?」 あたしの言葉に怪訝な顔をする。 「そしたら竜くんと同期になれた」 「なに、茜もしかして妬いてる?」 竜くんがあたしの顔を覗き込む。 「昨日…仕事じゃなかったんでしょ?」 「いや待て、何を勘違いしてる?」 勘違いなんかじゃない、この目で見たんだから。 二人で歩いているのを。 「見たの。二人でいるとこ」 「あー、昼休みか」 あたしがこんなに悩んでいるのに能天気に返事をする竜くんにイライラする。
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