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「二人でアクセサリーみてた」
「は?そこ見てたの?」
竜くんが焦ったような顔になる。
「ほら、見られて困るものがあったんじゃない」
「違う!そうじゃないって」
鍵を開けて出ようとするあたしの腕をつかんで焦った声で出ていくのを止める。
「答え出てるじゃん。昨日ふたりでいたことがすべてでしょ」
「そんなんじゃないんだよ」
「じゃあどんなんよ!」
ハッキリしない竜くんにイライラしてそれをぶつけてしまう。
こんな醜い感情出したくないのに。
「それは帰りに。お願いだから、帰り俺とデートして」
ぎゅっとあたしを抱きしめる。
「やだ」
「なんでだよ」
あたしの返事に膨れつら。
「いやなもんないやだ」
「じゃあ俺もデートするったらする」
こうなったら竜くんが折れないのはわかってる。
根っからの頑固ものだから。
「わかったよ…」
いつもそう言ってしまうんだ。
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