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「あ、そうだ。今週からはじまるプロジェクトで流山に入ってもらうことになったから」
部長が流山さんを会議室に招く。
「…マジか」
「ん?茜なんか言った?」
「…ううん」
嫌でも竜くんと流山さんが一緒にいるところを見なきゃならないのか。
流山さん仕事ができるし、あたしみたいな落ちこぼれとは違うもん。
「流山さんって仕事できる上に綺麗だよな」
元太が感心したように言う。
「…そうだね」
流山さんは非の打ち所がない女性。
仕事ができるし、綺麗だし、優しい。
男ならみんな流山さんみたいな女性がいいに決まってる。
「ま、俺は茜がいいなぁー」
「…そう」
元太の冗談にも付き合ってる暇はない。
ちゃんと気を張ってないと2人が気になって仕方なくなる。
「なんか元気ない?大丈夫?」
元太があたしのおでこに触れる。
「熱なんてないよ」
「ん。なさそうだね」
元太がにこってわらう。
こういうときは元太の笑顔に救われる。
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