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「以上。今週も頼むな」
部長の一声でミーティングは終わる。
あたしは早くこの場からいなくなりたくて足早に会議室をあとにしようとする。
「夕凪」
後ろから呼ばれる馴染みのある声。
会社では名字で呼ぶその声にピクッと肩が反応してしまう。
この場でそう呼ばれたら無視をするわけにはいかない。
「なんですか?」
あくまでも冷静に竜くんに向き直る。
「この資料整理を準備室「それはあたしがやるよ!あたしの方が早いでしょ?夕凪さんだっけ?席戻っていいよ」
竜くんの言葉を遮って流山さんが竜くんから資料を受け取る。
「あ、はい」
「待て。これはお前の仕事だ」
竜くんが流山さんから資料を奪う。
「ちょっと竜ー?」
「その呼び方会社でやめろって言ってるだろ」
会社じゃないところではお互いを名前で呼ぶほどの仲だってことがわかる。
「これ、やればいいんですね」
あたしは竜くんから資料を受け取って会議室をあとにする。
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