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「誰か、良い案ないかな?」
「分子模型でも作ります?」
「うーん、普通に作っても面白くないしなあ」
「じゃあ、元素記号だけで絵を描くとか?」
「何の?」
「それはまだ……」
「ちょっと大変そうだね」
「うーん」
科学部からの申し出は嬉しいが、別の部にオファーした方が良いかもしれない。
そう思って立ち上がった時、科学部の部長が美術室に入ってきた。
「ちょっといいかな?」
「もちろん。今、どうしようか話してたところだし」
「そうか、ちょうど良かった。僕達科学部の出し物なんだけど、色をテーマにしようと思ってるんだ」
「色?」
「例えば『どうして虹は7色なのか?』とか、紫キャベツを使って色の変わり具合を見る実験とか」
「色、変わるんですか?」
「うまくやれば7色になる」
「へえ~!」
それで決まった。
「よし! 俺達美術部は、虹とかオーロラとか、色を意識したものをやろう」
「賛成!」
「じゃあ、構想が決まったら連絡するよ」
「よろしく」
そして俺達は、文化祭に向けて準備を進めていった。
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