俺達の日

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実験を見学していた生徒たちが出ていくと、科学部の部長が俺のところへやって来た。 「ありがとう。美術部のお陰で、たくさんの人に見てもらうことができたよ」 「いや、絵を描いたりしただけだし」 「でも、新聞部と組んだ去年よりはだいぶ多かった。さすが美術部」 「そ、そうかな?」 「うん。『美術部と組むと当たりだ』って華道部の人が言ってて。最後の文化祭はどうしてもって思ってたんだ」 こんなに風に言われるとは思っていなくて、俺は少しばかり照れた。 「で、でも、面白い実験だったし。みんな喜んでた。そこはやっぱり、科学部の力だと思うよ」 「ありがとう。美術部と組むのに何が良いかって、部員で話したんだ。そしたら、色実験にしようって」 「そっか、だから……」 科学部は、俺達のためにやり易い企画を考えてくれていたのだ。 「でも、本当に楽しい文化祭だったよ。良い思い出になった」 「こっちこそ」 部長同士、がっちり握手をする。 「部長。ここの片付けやっておきますから、他を見に行ってもらってもいいですよ?」 科学部の部員が、実験室からひょいと顔を出して言った。 「いや、僕もやるよ。文化祭はまだ終わってないからね」 そう言うと、科学部の部長は改めて俺を見た。 「じゃあ、僕は戻るよ」 「ああ」 俺が頷くと、科学部の部長は白衣を翻して戻っていった。
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