NPO日本弱者支援協会

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「お出かけですか?」 諏訪は微笑んでいた。 「会議がありますので」 葛西は眉根を寄せていた。 「理事長!」 諏訪は葛西に、もう一枚の名刺を差し出した。 名刺を受け取った葛西は小首を傾げた。名刺には〈明日を拓!日本青嵐社〉と 印刷されていた。葛西の胸裏に右翼団体が過った。 「諏訪さんは政府関係の仕事をなさっているのですか?」 「ちょっと・・」 諏訪は言葉を濁して微笑した。 「どちらの?」 葛西は怪訝な顔をしていた。 「省庁セクションと代議士先生のお名前は、ちょっと」 「申し訳ないが、この名刺を頂くわけには・・」 「理事長!それはないでしょう。なんならゴミ箱にでも」 「ゴミ箱にでも・・」 捨てろ!とでも?葛西は困惑した。 「理事長!部下の汚職を、ご存じですか?そてと入札談合を・・」 「知らん!うちに限って、そんなことは無い!」 葛西は断言した。 「断言ですかぁ?小説は事実よりも奇なり!と言いますよね」 葛西は諏訪を無視して理事長室を出て行った。   葛西晶子十九歳は親友の田中好子十九歳と大学の華道部の部活を終 えて下校途中にある噴水公園プラタナスの木陰の白いベンチに座ってベン ダ-で購入した冷たい缶コ-ヒ-を飲みながら談笑していた。 「好子のパパ五月蠅い?」 「うちはパパもママも放任主義よ」 「いいなぁ-好子は・・」 「そんなに五月蠅いの?晶子のパパ・・」 「最近とくに五月蠅いのよ。パパ!嫌になっちゃう」 「何か?あったの?」 好子は怪訝な顔をして晶子を見た。 「何も無いわよ」 晶子は、げんなりした表情をしていた。 ピイ!ピイ―ピイ!晶子を好子の背後で口笛?指笛?の音がした。 「お姉ちゃん僕たちと遊ぼぉ!」 ベンチの背後に数人の男が立っていた。 晶子と好子は目配せしてベンチを立った。だが男たちは素早く晶子と好子 を囲んでいた。男たちは五人だった。 「急に逃げ出すのぉ-子猫ちゃん!僕ちゃん嫌わないでよん」 「急用があるんです」 晶子は辛うじて、それだけ言った。 「急用ね!いいわよん行っても。だけど、その前にピンクの乳首を吸わ  せてよんピンクの乳首を―。でも、やっぱりオマンコの方が好いなぁ~。  青空セックスしない。いいじゃん」 晶子と好子は酷暑の中で青ざめて悪寒してしていた。そして全身は硬直して 竦んでいた。一人の男が晶子のスカ-トを背後から捲り上げた。
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